バス釣りめいろ

霞ヶ浦・北浦の近場に在住。 ブラックバスは何処でも釣れて、 何処でも釣れません。 結局『○○ポイントが釣れる』という情報は案外当てになりません。 釣れる場所(条件)は人の出入り含め、刻々と変化します。 釣れない時は“めいろ”に迷った心境。 本能で行動するバスの居場所を読み解く。 そのプロセスを皆さんと共有出来ればと思っております。

霞水系のターンオーバー

おつかれさまです







『これ、ターンオーバー起きてるんだよ!』
YouTube等でバス釣り動画を見てると、そんなコメントを耳にする事が有ります。





ターンオーバーの現象自体は皆さんご存じと思いますが、主に水温が下がり始める秋頃からクリアな水面と不純物が蓄積している底面の水が入れ替わり撹拌され、水全体に不純物が蔓延しバスの食い気が低下するというもの。




しかし霞水系の場合はどうでしょう?
オカッパリから届く範囲のレンジは殆どが1m以下です。
深くてもせいぜい2m台が大半を占めます。


そして関東平野というだけあり、湖周りは遮るものが少なく吹きっさらし。
少し強めの風が吹けば湖面は荒れまくる。
浅い湖底の沈殿物は湖上が荒れれば簡単に舞い上がり撹拌されます。




そして多少風の強い日は、月に何度もあります。
つまり霞水系はターンオーバーでないとしても、水中のごちゃ混ぜ症状は毎月起こっています。




強風でザッパンザッパンに荒れる水が浅い湖内を荒らします。
で、お世辞にも綺麗とは言えない霞の水は、クリアなダム湖等と比較にならない程に劣悪な沈殿物を巻き上げるわけです。




そんな日はなかなか良い釣果がでません。
強風でライトリグ等の軽いルアーが使えない状態なので、食わせ難いというのもありますが、重いダウンショット等で強制的に沈めても簡単には釣れません。




沈殿物が巻き上がるのでバスの視界だけでなく、
口やエラに不純物が侵入するのでテンションが下がる為と思われます。
霞ヶ浦・北浦の荒天の日は、TOP50等の結果も釣果が悪いです。


2017年TOP50 最終戦の霞ヶ浦戦は風が強く荒れたコンディションで行われました。
結果0匹に終わったプロが15人もいました。




元々霞水系が厳しいというのもありますが、
北大介選手や今江克隆選手、福島健選手、沢村幸弘選手という実力ある人達が0匹!


この事実が霞ヶ浦の荒れたフィールドが如何に釣り難いかを物語っていると思います。
水が荒れた結果、プラで構築した手法が機能しなくなったとか
色々な言い方はあると思いますが、とにかく釣れないんです。





丁度ターンオーバーについて村田基氏が語っている動画がありました。
村田基氏は「底割れ」と言っていますね。





動画内のターンオーバーを「釣れない時の理由」にしたがる人という話も面白いですねw

ただ、レンジの浅い霞は底面まで魚が行き来しているので、水が荒れても関係無い的な事を言われていますが、どうでしょう?
この辺は釣る人の考え方、捉え方次第で決める事なので何とも言えません。
正直『荒れ』に関してだけですが、自分の考えでは対立してしまいます。









興味深い情報があります。

霞ヶ浦河川事務所が『霞ヶ浦の汚濁要因』についてしっかりまとめてあります。
www.ktr.mlit.go.jp




これを読むと如何に霞ヶ浦水系の汚れが酷いかわかりますし、その要因も明確です。
霞ヶ浦水系は汚染が酷いというのを認めた上で、その調査をまとめた内容ですね。





『内部汚濁要因』の4項にこのような事が記載されています。

4. 霞ヶ浦の湖底に堆積した底泥からの溶出や、風浪による底泥の巻き上がりによって、湖水の窒素・リンの汚濁が増幅しています。
f:id:somixxxxx:20180607123543g:plain
窒素・リンの汚濁等が風浪により巻き上がるわけです。
この情報を見る限り、強風による汚濁巻上げはターンオーバーと同等又はそれ以上と見ても良いのではないでしょうか?



そしてこれでもバスのテンションは平常運転で「ヒャッハーッ」なのでしょうか?
そんなわけないですよね。。
気圧や水温、日差し、水の流れによりテンションや居付く場所が様変わりするバスにとって水質の悪化は一大事です。



クリアな水系と違い、霞水系のバスは厳しい環境に措かれ、何とか生き延びようとしている事が分かると思います。
そう思うと霞のバスには敬意をもって接したい気持ちになります。


そして冒頭に述べたように霞水系は強風で荒れる事がしょっちゅうです。
つまり綺麗な水質に住むバスに比べてテンションの変動が激しいと考えられます。




田辺哲男氏が度々言っていますが「バスの気持ちを考えろ」と、
これらを頭に入れて釣り周れば釣果が上がりそうな気がしますね。




休日になれば関東近辺から多くのアングラーの方が訪れる為、人的プレッシャー(いわゆるスレ)も相当なものですし、それに加え先に述べた悪水質の変動が激しい。
霞ヶ浦水系が「難しい」「釣れ難い」と言われるのは、これらが複雑に絡んでいる事が要因と言って良いのではないでしょうか。


地形から来る水の流れや天候、そして水質の変動を読み解き行動すればきっと良い結果が出ると思います。




霞ヶ浦水系のターンオーバーについて考えてみました。




ここまで読んで頂きありがとうございました。